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法律マメ知識

【生活トラブル】:子どもの怪我

Q. 子どもX(小学3年生)が遊んでいるときに、友達Y(小学3年生)を転倒させ、左脚骨折などの怪我をさせてしまいました。その結果、Yは、入院1ヵ月、通院3ヵ月もの治療を要しました。また、Yは左脚が2p短くなり、歩行がしにくくなりました。XやXの親にはどの程度の損害賠償が必要でしょうか。
A. XがYに損害を与えれば、損害賠償をする義務が生じます。これを不法行為責任と言い、民法709条が定めているところです。しかし、損害賠償額の算定については、殊更の定めがありませんから、過去の判例や事例などによって、大体次のようになっています。

1.
積極損害−実際に支出した費用
Yの治療に要した病院代、付添看護費(付き添いが必要な場合だけです)、入院雑費(1日1,400円くらい)、交通費(タクシーの場合、領収書が必要ですし、タクシーでなければならない事情も必要です)などです。その他、葬祭費、自宅の改造費なども必要に応じて請求できます。

2.
消極損害−実際には支出していないが、もし怪我がなければ得られたであろう利益のこと

(1) 休業損害−怪我のために仕事を休み、得ることができなくなった収入です。本件では、Yは小学3年生ですから、この損害はありません。もっとも、治療期間が長く、1年間卒業が遅れたというような場合には、休業損害が発生することもあります。

(2) 後遺障害による逸失利益−Yには左脚が2p短くなり、歩行がしにくくなったという後遺障害が残りました。これがあると、将来の労働能力が減退し、収入も減ることになると思われますので、後遺障害の程度に応じて、将来失うであろう収入・利益が算定されます。本件では、後遺障害等級が12級か13級と思われますので、労働能力喪失率は14%か9%とされます。従って、大雑把に言えば、Yが12級の後遺障害となった場合、平均年収(560万円)×0.14×11.1540=904万7360円となります。
11.1540は、将来もらう金銭を前もってもらってしまうので、このような係数を掛けます。何年間働けるかによって違ってきます。

(3) 慰謝料−これには治療のため入通院したことへの慰謝料と、後遺障害が残ったことへの慰謝料とがあります。
 どれくらいかは、入通院期間に応じて算出され、Yのように入院1ヵ月、通院3ヵ月であれば、80〜130万円ほどでしょう。後遺障害の場合の慰謝料は、12級の場合、250〜300万円でしょう。

3.
以上は、交通事故の場合とほぼ同様に考えられています。また、上記の金額は、調停、裁判などを前提とした数字であり、示談の場合は、もっと少額になるようです。
 ところで、以上は、Yに落ち度がない場合ですから、Xと一緒に遊んでいたYにも、怪我をすることに至った経緯に落ち度(過失)があれば、その分だけ、相殺されます。たとえば、40%の過失があるとされれば、上記1と2の合計の60%だけを請求できるのです。

 最後に、小学校3年生くらいであれば、子ども本人には責任能力がないとされるでしょうから、一般には、Xの親が監督責任を問われることになるでしょう。

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