【裁判員制度について】:裁判員制度を知ろう〔2〕
Q. | ☆セーラさんと連太郎さんが久しぶりにデートをしています。 |
A. | 下記のQ&Aに解説しました。 |
セーラ; | ねえ、「HERO」どうだった?やっぱり、「公利生公平」のキムタクは格好よかったわ! |
連太郎; | そうだね、あんな型破りの検事がいたら面白いね。 |
セーラ; | この間話していた「裁判員制度」になり、市民から選ばれた「裁判員」が裁くとなったら、みんな公利生検事の言う通りになっちゃうんじゃない。 |
連太郎; | まさか。市民は、そんなことで左右されないよ。大丈夫だよ。 |
セーラ; | でも、裁判員制度は評判が悪いわよ。最近でも8割以上の人が「参加したくない」と回答しているよ。 |
連太郎; | 本当だね。来年(2009年)5月21日には、裁判員法が施行されて、その7,8月ころから「裁判員裁判」が始まるのにね。 |
セーラ; | すると、今後、どんなことが行われていくのかしら。 |
連太郎; | だいたい、次のようなイメージだそうだ。 今年(2008年)8月、地方裁判所から管内の市町村選挙管理委員会へ裁判員候補者数の割り当てを通知する。すると、選挙管理員会は選挙人名簿から裁判員候補者をくじで選んで、10月には、その裁判員候補者名簿を地裁へ提出する。 地裁は、11月から12月にかけて、その裁判員候補者名簿に登載された人へ、裁判員候補者名簿に登載された旨を通知する。同時に、重い病気や高齢などの客観的な辞退理由があるかないかを尋ねる調査票も送付する。 そして、2009年5月21日以降、事件が発生し、裁判員裁判をすることになれば、地裁は、裁判員候補者の中の50〜100人に対し、「△事件の裁判員として○月○日○時に来てください」との通知を出す。同時に質問票も送付される。なお、通知は、呼び出し日の6週間前までに出すことになっている。 そして○月○日当日は、地裁へ集まった裁判員候補者に対し、裁判官、検察官、弁護人が不公平な裁判をする恐れの有無、辞退希望の理由などを質問する。 そして、辞退が認められた人、「不適格」とされた人が除かれて、最終的に6人の裁判員と若干の補充裁判員が選ばれる。 |
セーラ; | 結構面倒な手続きを経るんだね。それに、6人と少しの裁判員を選ぶのに、沢山の人に集まってもらうんだね。 |
連太郎; | うん、やはり公正に判断できる人、不都合な人も少なくないからね。 |
セーラ; | この裁判員裁判は、全国のすべての裁判所でも行われるの。 |
連太郎; | いや、全国の地裁50ヵ所と八王子・松本など10ヵ所の地裁支部だけで行われる。 |
セーラ; | 全国でどれくらいの裁判員裁判が行われるのかしら。 |
連太郎; | 新聞によると、今の事件発生状況からして、全国で3,100件余とみられていて、有権者約4,160人に1人が裁判員(補充裁判員も含む)となるのではないかとみられている。 |
セーラ; | 4160分の1か。なかなか当たらないね。 |
連太郎; | まあーそうだね。でも、当たったら是非出たいもんだね。 |
セーラ; | ヘーエ。私は、やはり怖いわ。人を裁くなんて。 |
連太郎; | 確かにそうだけども、1人で判断するのではないし、エリートと言われる裁判官とは違う、市民感覚で考えるのも良いんじゃないかな。 |
セーラ; | でもね、法曹関係者でも反対している人が少なくないんだって。弁護士が裁判員制度反対の本を書いたり、元裁判官が「裁判員にならない方法」と言うような本を出版したんだって。私も読んでみよかな。 |
連太郎; | 裁判員になることを免れるうまい方法もあるんだってね。でも、そんなことよりも、裁判と言うものに正面から取り組んでみた方が大いに役立つんじゃないかな。 |
セーラ; | そりゃそうだけど、仕事を休まなきゃいけないし、事件に関する新聞報道もあまり読んではいけないんじゃないの。 |
連太郎; | 仕事や勤務の遣り繰りをどうするのか、家事はどうするのか、などの課題があるよね。それに、大きな問題は新聞報道だね。報道の自由は守らなければならないし、あまり警察発表ばかりを詳しく報道すると、読者は偏見を持っちゃうしね。 |
セーラ; | その他には問題ないの。 |
連太郎; | まだあるよ。裁判員裁判が終わった後に、裁判の様子を話したら、処罰されることがあるんだって。みんなで経験を話し合ってこそ、より良い制度に直していけるのにね。 |
セーラ; | ねえ、ねえ、最近「取調べの可視化」と言うことが盛んに言われているよね。これは、どういうこと。 |
連太郎; | 警察や検察が被疑者・被告人を取調べする時は、その取調べの様子を初めから終わりまで、録画か録音しておくことだよ。 昔から、警察などは自白を得ようとして、厳しく追及したり、嘘を言ったり騙したり、自供したら褒美を与えると言ったり、親は泣き悲しんでいるぞなどと言ったり、長時間座らせるなど、違法・不当な取調べが少なくなかったんだよ。 つい最近も、鹿児島・志布志での公職選挙法違反事件や富山の強姦事件などでも、違法・不当な取調べがあったよね。 これらを止めさせるためにも可視化は必要だし、もし自白などの供述が任意になされたかどうかが問題となった場合にも録音・録画があればかなり容易に解決できるでしょ。 そもそも、昔から裁判が長引いたのは、この自白が任意であったかどうかを調べるために警察官を尋問したりしたからだって。 |
セーラ; | そうよね。裁判員裁判は3日以内で終わらせると言うことだそうだから、録音・録画(可視化)は絶対に必要なんだよね。 |
連太郎; | そう、その通り。いずれしても、これからの新聞報道などはしっかり読んでおかないとね。 |
セーラ; | うん。さあー、そろそろ食事に行こうよ。何食べる? |
連太郎; | “ひつまぶし”に決めてる! レッツゴー |
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