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法律マメ知識

【悪徳商法】:「特定商取引法」・「割賦販売法」の改正

Q. 2008年6月に改正された「特定商取引法」と「割賦販売法」の改正内容について教えてください。
A. 下記のQ&Aに解説しました。
裁判員制度を知ろう〔2〕裁判員制度を知ろう〔1〕
2008年6月に「特定商取引法」「割賦販売法」とが改正され、消費者にとってはありがたいことだと聞きましたが、(1)どんな法律なのか、(2)何故改正されたのか、(3)どんなことが改正されたのか、(4)本当に役に立つか、などを教えてください。
なかなかタイムリーな質問だね。確かに、名前はいかめしくて難しそうなのですが、私たち消費者、消費生活にとっては、とても大切な法律ですね。
(1)どんな法律なのか
私たちは日々物を買っていますが、多くは店舗での現金取引です。つまり、物を買う目的で店舗へ行き、現金を支払い、それと引き換えに物を受け取るのです。この場合は、そんなに問題になりません。

しかし、自宅や街頭などのように店舗以外での取引は、布団・絵画・呉服など大体予定外のことであるし、比較的高い物が多いですね。つまり、よく考えないままに(考えさせてもらえないようにされて)、それほど必要でない物を買わされるというような被害が生まれ易いのです。そこで、消費者が訪問を受けたり街頭で勧誘されたりする「店舗以外での取引」について規制をして消費者を保護しようというのが「特定商取引法」です。以前は「訪問販売法」と言いましたし、この方が判りやすいのですが、訪問販売の意味が拡大されてきましたので、平成11年10月に「特定商取引法」と改称されました。

もう一つの「割賦販売法」は、「割賦」つまり分割払いについての法律です。つまり、車、テレビ、冷蔵庫などの高額商品を買う場合は、一般に、クレジット業者(信販業者)に対し立替払いを申し込んで、クレジット業者が販売業者に立替払いをして、消費者はクレジット業者に分割で返済していきます。このような取引は、通常の取引のように、買主(消費者)と売主(販売業者)という2者間の取引ではなく、買主(消費者)、売主(販売業者)の外にクレジット業者がからむ3者間の取引になります。複雑になり、トラブルも多くなります。そこで、これらの問題を規制するための法律が「割賦販売法」なのです。
(2)なぜ改正されたのでしょうか
新聞、テレビなどで「悪徳商法」「悪質商法」などと注意を呼び掛けていますが、消費者被害は跡を絶ちません。
経済産業省も「近年、高齢者等に対し、個別の契約ごとに与信を行う個別クレジットを利用した訪問販売などによる被害が深刻化しています。中でも、執拗な勧誘を断り切れないまま、大量の購入契約を結ばされる事例や、これらの悪質な勧誘販売行為を助長するクレジット業者の不適正与信あるいは過剰与信の事例が目立っています。また、インターネット通クレジット売などの新しい分野においては、返品を巡ってのトラブルや、不当請求の手段となる迷惑広告メールの問題、クレジットカード情報の漏えいなど、多くの消費者被害が発生しています。」と言っているほどなのです。

これらの被害は、消費者がもっとしっかりとしておれば良いのですが、判断能力が不十分な方もおられるし、悪質な業者のあの手この手の悪質商法には太刀打ちできない場合が多いのです。やはり問題は、「特定商取引法」「割賦販売法」などの消費者保護法が極めて不十分だということなのです。そこで、今年(2008年)6月に法改正がなされたのです。
(3)どんなことが改正されたのですか
1.規制の抜け穴を解消します。

@ 規制の後追いから脱却するため、これまでの指定商品・指定役務制を廃止して、訪問販売等では原則すべての商品・役務を規制対象とします。

*河合;これまでは、規制対象が法律で指定された商品・役務に限定されていたため、トラブルがあると追加指定するというな“イタチゴッコ”であり、“後追い”でした。そこで、今回の改正では、原則すべての商品等を規制の対象としたのです。

A その上で、クーリング・オフになじまない商品・役務等は、規制の対象から除外します。

*河合;たとえば、自動車、生鮮食品、化粧品、健康食品、葬儀等は、規制から除外されます。

B 割賦の定義を見直して、これまでの「2カ月以上かつ3回払い以上」の分割払いのクレジット契約に加えて、「2カ月以上後の1回払い、2回払い」も規制対象とします。

*河合;これまでは、1回や2回払いでは“分割払い”とは言えないため、少なくとも「2カ月以上かつ3回以上」の分割払いが要件でした。しかし、1、2回払い(ボーナス払いなど)でも問題が生じるので、このように見直しをしたのです。なお、2者間の割賦販売となる自社割賦やローン提携販売はこれまで通り「2カ月以上かつ3回払い以上」の分割払いを規制対象としています。
A2 2.訪問販売規制を強化します

@ 訪問販売業者に「契約しない旨の意思」を示した消費者に対しては、契約の勧誘をすることを禁止します。

A 訪問販売で、通常必要とされる量を著しく超える商品等を購入契約をした場合、契約後1年間は契約を解除できることとします(ただし、消費者にその契約を結ぶ特別の事情があった場合は例外とします)。

*河合;消費者が過量販売だから解除すると言ったとき、販売業者は過量販売でないこと、あるいは特別の事情があったことを主張し、立証しなければなりません。
A3 3.クレジット規制を強化します

@ 個別クレジットを行う事業者は登録制とし、立入検査、改善命令など、行政による監督規定を導入します。

A 個別クレジット業者に、訪問販売等を行う加盟店の勧誘行為について調査することを義務づけ、不適正な勧誘があれば消費者への与信を禁止します。

*河合;クレジット販売の場合、実際に勧誘・販売をするのは販売業者ですが、クレジット業者は、日頃の契約状況・苦情等を通じて販売業者の勧誘行為を調査することができます。それによって、悪質な販売業者を排除していこうというものです。

B 与信契約をクーリング・オフすれば販売契約も同時にクーリング・オフされるようになりました。

*河合;なお、クレジット業者や販売業者が、不正したり消費者に誤解を与えるなど、クーリング・オフの行使を妨害したような場合は、クーリング・オフの期間(多くの場合8日間)は進行しません。

C 訪問販売業者等が虚偽説明等による勧誘や過量販売を行った場合、個別クレジット契約も解約し、すでに支払ったお金の返還も請求可能にします。

*河合;販売契約やクレジット契約が割賦販売法・特定商取引法によって解約されると、クレジット業者は消費者に対し、立替金相当額の支払いを請求できませんし、消費者は既に支払った金銭をクレジット業者に返還請求できます。そして、クレジット業者は、既に販売業者に支払った立替金の返還を求めることができます。

D クレジット業者に対し、指定信用情報機関を利用した支払能力調査を義務づけ、消費者の支払能力を超える与信契約の締結を禁止します。

*河合;多重債務対策の一環です。すなわち、クレジット業者は、当初、購入者(消費者)の「包括支払可能見込額」(生活を維持しながらクレジット債務を返済できる見込額)を調査する必要がありますし、指定信用情報機関に対し信用情報を提供したり提供されたりして、消費者の支払能力を超えるような与信(クレジット契約)をしてはならないということです。そこで、消費者は指定信用情報機関に対し信用情報を提供することについての同意を求められます。拒否するとクレジットが利用できないことになると思います。
A4 4.インターネット取引等の規制を強化します

@ 返品の可否・条件を広告に表示していない場合は、8日間、送料を消費者負担で返品(契約の解除)を可能にします。
A 消費者があらかじめ承諾・請求しない限り、電子メール広告の送信を原則的に禁止します。
B 電子メール広告に関する業務を一括して受託する事業者についても、規制の対象とします。
C オプトイン規制に違反した場合は、行政処分や罰則の対象になります。
D クレジット会社等に対して、個人情報保護法ではカバーされていないクレジットカード情報の保護のために必要な措置を講じることを義務づけるとともに、カード番号の不正提供・不正取得をした者等を刑事罰の対象とします。
A5 5.その他

@ クーリング・オフがあった場合、仮に商品を使用していた場合でも、事業者はその対価を原則請求できないことになりました。

*河合;クーリング・オフの行使を妨害したような場合は、クーリング・オフの期間(多くの場合8日間)が長くなることがあります。そこで、クーリング・オフがあった場合には、このような商品使用の場合の解決を図ったのです。

A 違反事業者に対する罰則を強化します。
B クレジット取引の自主規制等を行う団体を認定する制度を導入します。
C 訪問販売協会による自主規制の強化を図ります。
(4)今回の法改正は役に立つのでしょうか
今見てきたように、今回の法改正によって相当役に立つと思われます。
特に、上記3・Cの「訪問販売業者等が虚偽説明等による勧誘や過量販売を行った場合、個別クレジット契約も解約し、すでに支払ったお金の返還も請求可能にします。」と言うところは、大いに役立ちます。これまでは、折角、割賦販売法・特定商取引法違反があるとしてクレジット契約を解約しても、既に支払った金は取り戻せなかったのです。それができるようになったのですから。
(5)いつから改正されるのですか
2009年12月頃までには施行されることになっています。

但し、上記(3)・3・Dの割賦販売法による指定信用情報機関関係については、2010年12月頃までに施行ということになっています。

そして、上記(3)・4の特定商取引法による電子メール広告(いわゆる迷惑メール)関係については、2008年12月1日より施行されています。この電子メール広告は今回改正の目玉の一つです。しかし、スペースがなくなりましたので、次回に報告させてもらいます。

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